最近、セカンドライフのベテランであるHikaru Yamamotoが、Philip Rosedaleが新会社LoveMachineで実行しようとしている計画について、彼女が聞いたことを私に話してくれた。Philipは、Linden Labの従業員評価システムの公開版を作ろうとしているだけではなかった。それは、計画のひとつにすぎなかったのだ。もっと野心的なゴールとして、彼女が私に話してくれたのは、仮想世界に存在する意識のある人工知能を作り出すことだった。
「彼は、人工知能をセカンドライフの中に住まわせたいと思っています」彼女によれば「それは、考えたり夢を見たり、何でもできます」実際、現在の会社のウェブサイトには、会社の3つのプロジェクトリストの一つとして「頭脳。10,000のコンピューターは、人間になることができるか?」と書かれている。
これは、ちょっと信じられないこと(ただし、ほんのちょっと)のような気がするので、私はPhilip自身に確認をしてみた。
「そうだよ」Philip Rosedaleは私に言った。「大体の方向性は、そんな感じ…でも、何か進歩があるまで、このことについては話したくないんだ。」
PhilipはAIテクノロジーに革命をもたらすことを計画している--仮想世界の中で特異性(singularity)を達成する--それは、驚くことではない。なぜなら、私がThe Making of Second Lifeを書くときに彼と話した時にも、このようなことを言っていたからだ:
「私達がセカンドライフや他の仮想空間で作成したオブジェクトが、考えられるようになることは可能だ。」彼は2007年にこのように語っている。「10年後のシミュレーションエンジンでは。」でも私は、彼自身がこのプロジェクトの指揮を取るようになるとは思っていなかった。
彼が言うように、プロジェクトの進行はまだ初期段階のようだ。しかし、会社の革新的な構造のおかげで、意欲と才能のある人は、ほぼ誰でもプロジェクトに関わることができる:ホームページに説明されているように、志願者はオープンワークリストに掲載されている職種に応募できる。そして、チャットシステムを使って彼らと話し合うことができるのだ。
今のところ、会社そのものは2人体制で回っている。Philipと、初期のLindenスタッフRyan Downeだ。彼らはインターネットのワイヤレス接続があるところならどこでも店開きする--ある日は、新しいMMOの会社で、そしてまたある日は、サンフランシスコ中心にある豪華ホテルのニッコーでといった具合に。Philipが撮った写真は、その時のものだ;この写真は、私が今からWilliam Gibson(SF作家)の焼き直しのような一節を書くけれども、これが現実に起きていることだということも表す:
彼らはオフィスを持たず、ホテルニッコーロビーの大理石の厚い板の上に自分達の仕事場を落ち着かせ、メタバースの中で夢を見ることができる、意識のあるAIを作り続けているのだ。熱心に仕事を続ける引退したロックスターをパートナーにしながら、Philipはウェイターがいつ彼らにドリンクを買うように尋ねるかとか、その風変わりな頭をどこか別の場所に移動するように言うのではないかと常に気にし続けている。
アップデート12:35pm:セカンドライフの共同創設者であるCory Ondrejkaが投稿した2009年の記事に、Philipのプロジェクトの理由となる背景について述べられている。このプロジェクトは、どうやら、長いこと密かに温められてきたことのようだ。
コンピューターの力が、頭脳を丸ごとシミュレーションできるようになるまでに必要な年月は、たった10年~15年ほどだろう。デザインの理論上の青写真とシミュレーションは良い形で進行中であり、1960年代から私達が思い描いてきたように、ついに人工知能が完成するのかもしれない。neocortical columns(新皮質のコラム)への焦点は、Jeff Hawkinsの著書、On Intelligenceによって、geek達の間で有名になった。2004年、Philipはこの本に非常に興奮し、2004年度はLindenの中にこの本の話題を広めた…その時、私は2009年までに、このグループの中の誰かが、この頭脳プロジェクトに動き出すことだろうと思った。つまり、セカンドライフの次にはSkynetを作ることがふさわしいような気がしていたのだ。[文中の強調は、私による!]
2007年4月より、SLウロウロユーザー。オーストラリア在住。音楽イベントによく出没します。悩みの種は微妙な時差でイべント中に眠くなること。超有名ブログの日本語訳は大チャレンジですが、日本のユーザーの皆さんとNew World Notesの記事をシェアすることができれば光栄です。
ゆるゆるSLブログ「りすが行くわよ」http://ameblo.jp/sannyy/
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