Grid SurveyというサイトとTwitterでSL経済の動向を追っているTyche Shepherdによれば、Linden Labは、この1年間だけで、Second Life上の650を越えるプライベートエステートリージョンを失ったと言う。これは、会社の年間収入の100万ドル以上を失ったことになり、またしても、私が繰り返し述べているポイントへ行き着く:生き残る為に、Second Lifeはマスマーケットでの成長が必要であり、それを達成するには、劇的な変化と大胆な戦略が必要だ。利益になるニッチでは生き残れない。なぜなら、そのニッチは、ゆっくりと、しかし確実に衰退しているのだから。
2011年の1月以降の数字について、Tycheは先週、私に次のように話した。「プライベートエステートリージョンの数は24196です。年度始めから比べて647減っています。」そこからさらに、7つのプライベートシムが減っている。これらのランドオーナーがフルプライスの月額使用料300ドルを支払っていたとするなら、年間収入の約200万ドルを失うことになる。ただし、Tycheは年間損失額が100万ドル近くになるだろうと見積もっているが。
「期間収入から予測できる年間収入(yearly run rate)は、US100万8千ドルの減額。」「58%の私有地が[高額の]フルリージョン。だから、年間損失額の見積もりは、US150万-200万ドルまではいかない。」と、彼女はTwitter経由で言っている。
私はLinden Labにプライベートリージョンの減少について聞いてみた。スポークスマンのPeter Grayは、損失は私が思っているほどのものではないと強調した(下の引用を参照)。しかし、詳しくは教えてくれなかった。いずれにしても、私が4月に書いたことははっきりしたようだ。Second Life のプライベートシム所有権は、Linden Labの収入源としては期待できない。Grayによれば、土地の使用料から得られる収入は、会社の総収入の80%近くを占めているという。ということは、ここ数年間で、土地からの収入に代えて、大幅に有料ユーザーを伸ばさない限り、この収入の礎は侵食していき、結果としてLindenの収益マージンを食い尽くすことになるだろう。これが、今、Linden Labが声を大きくしてプレミアムの申込者特典を宣伝している理由であることは、ほぼ間違いないだろう:仮想の土地を主な収入源とすることから方向転換しようとしている。しかし、シムからの収入をカバーするほどSecond Lifeのアクティブユーザーがいない。プレミアムアカウントの料金は、毎月たったの9ドル95セントだ。もし40万人のSLユーザーがプレミアムアカウントにしたとしても(2009年には10万人以下だった)現在の年間収入7千500万ドルの、およそ半分にしかならない。
SLを一生懸命プレイしているユーザーには、これは悪い知らせだ。では良いニュースはあるだろうか?Linden Labはマスユーザーを獲得する為に、例えばゲームシステムが追加されるなど、大きな動きを見せそうだ。(SL創設者であり、会長のPhilip Rosedaleも支持している)しかし、失敗は許されない:Second Lifeの未来は、数百万人のユーザーを獲得するか、まったくダメかだ。
この後に並ぶ数字は、Tyche ShepherdのTwitterフィードから(私がざっと計算した)2011年1月からのプライベートシム増減の詳細である。
- - 43
- - 17
- - 55
- - 56
- - 22
- - 34
- +23
- - 31
- - 10
- - 67
- - 27
- - 65
- - 8
- - 13
- - 74
- +19
- +7
- -34
- -81
- -31
- -6
- -33
- -15
- +69
- -10
- -8
- -66
- -52
- +24
- -9
- -21
- -17
- -5
- -7
Linden LabのPeter Gray は、これらの損失について「昨年度からのトータルプライベートシム数は僅かに減少しており、仮想世界の大きさは、弊社から季節ごとにお知らせしている経済状況ブログの通りです。使用料金変更により相殺されていますので、土地のボリュームの変動が、そのまま土地からの収益に影響を与えるわけではありません。また、土地からの収入は、Lindenの総収入のごく一部です。全体的に見れば、土地が減少しても他の増収している項目で相殺されますので、それほど影響はありません。」
《オリジナル英文記事は9月15日に投稿されました》
Sanny(りす)Yoshikawa
2007年4月より、SLウロウロユーザー。オーストラリア在住。音楽イベントによく出没します。悩みの種は微妙な時差でイべント中に眠くなること。
日本のSLで起きている面白いこと、ニューワールドノートに紹介したいことがあったら教えてください。
「りすが行くわよ」http://ameblo.jp/sannyy/
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