挿絵:上/大きな利益を上げている会社から、メジャーブランドのラップトップで動くソフトウェアが手に入らない。下/悪いのは私です。
先週、私がDell(ほぼ4人に1人のラップトップユーザーが持っているブランド)製のAlienwareというラップトップでSecond Lifeを動作させるのに手間取っているという記事を載せてから、ハードコアSLユーザーから沢山の大変興味深いコメントが寄せられた。その多くは、基本的に同じテーマで、Second Lifeの基礎的な問題を示すものだった。コメントの内容をざっと要約すると以下のとおりだ:
- SLを動かす為に、もっと良いラップトップを買え。
- SLを動かす為に、もっと良いグラフィックカードを買え。
- SLを動かすのに、Dell/Alienwareを使うな。
- SLを動かす為に、Windows7をやめて、LinuxOSをインストールしろ。
- SLを動かす為に、サードパーティーの(Lindenのスタッフではない人が作った)ビューワーをインストールしろ。
- SLが他の主流製品のように動くと期待するな。どうやったらSLを動かせるか学べ。
- さぁ、これが解決方法だ。多分、普通のユーザーにはよく理解できない解決方法だ。でも、SLを動かす為には、とりあえずやってみろ。
私は、断じてコメントを寄せてくれたSLer(エスエラー)達を批判するつもりではない。ある意味、彼らはコミュニティーに対する熱い情熱を示しているという点で賞賛に値する。しかし、どのコメントにも共通している問題を指摘することは重要だ:まれに見る寛容さと意欲で技術的な問題を受け入れるということは、他の状況ではありえないことなのだ。Second Lifeは、非営利のオープンソースプロジェクトではない。しかも、最近の、新技術のグラフィックスで動いている訳でもない。そのどちらかであるなら、前出のアドバイスは理解できる。しかし、私達が話題にしているのは、非常に利益を出している会社によって、もう10年近く運営されている製品である。それが、どうしたわけか、4人に1人のアメリカ人消費者が持っているコンピューターで上手く動作せず、この問題について(自動修正以外は)はっきりとした対応が、ほぼ何もない。
挿絵:申し訳ございません。他のソフトと似たり寄ったりの、このインタラクティブエンターテイメントソフトウェアは起動できません。$2000の新しいラップトップを購入して誰かが1000時間以上ただ働きして作った非公式のソフトウェアをインストールしてください。
さて、私は時間がある時に、この技術的な問題を自分で解決するつもりだ。しかしそれは、私が今でも、Second Lifeを書く価値のあるものだと思っていて、プロとして、このオンラインコミュニティーについての記事を書いているという理由があるからだ。ただ、このサポート体制がどれほどSLをニッチ--またはForresterのアナリストが、The iron law of Oligarchy(寡頭制の鉄則)と呼ぶものへと追いやっているかはっきりさせたい。このように基礎的な問題を抱えるソフトウェアがマスマーケットや、何百万人のユーザーが利用する大規模なニッチマーケットで成功することはあり得ない。手近なところにMinecraftのようなWebゲームがあるのに、Second Lifeをするのに5時間も自分で技術的な問題を修正しなければならないとしたら、新規ユーザーは5分とその場にいないだろう。しかし、技術的問題がどんなに続こうとSecond Lifeから離れないハードコアユーザー(問題解決の為に、喜んで何十時間も、何千ドルも使う人達)がいるなら、運営会社は問題を解決する為の努力をしなくなってしまう。--私達は、今、そういう状況の中にいるのだ。
AlienwareでSLを動かす方法を説明する為に、根気強く好意的な1000文字以上のE-mailを数回に分けて送ってくれたSLerのFred Beckhusenにも私は同じような提案をした。
「営利を目的とした会社が何年もほったらかしにしている技術的な問題を、なぜ、君はそこまで熱心に解決しようとするのですか? Dell/Alienwareは非常に人気のあるシステムなのだから、Linden Labが、このシステムでSLを動かす方法を見つけるべきだと思いませんか?」私はFredに聞いた。「あなたの質問は、もっともです。でも、私の答えはこうです。」とFredは続けた。「私は、Lindenの為にやっているのではありません。私は、あなたの読者のためにしているのです。あなたは約2800万人の代表なのですよ。もし、SLがあなたを失うとしたら、私達全員が何か素晴らしいものを失うことになります。そうなったら、私はがっかりするでしょう。」まず私は、私が本当に2800万人を代表していたらと思う。しかし、現実的には、主に技術的な問題が元で、ほとんどの人が来ては去りを続けている。次に、Fred、君は本当にいいやつだ。君は結局、LindenLabのやるべき仕事をしている。落ち込む数字を押し上げようとしているのだ。そして最後に、これを言うのは私も心苦しいが、このような意欲を受け入れてしまうことが、Second Lifeの存続を脅かすことになるのだ。なぜなら、Linden Labが2010年に誓った、速く、簡単、そして楽しいSLを実現できていない為に、ユーザーベースは伸びず、新規ユーザーも増えず、自然消滅するように年々縮小を続けているのだから。私には、そちらのほうが、がっかりだ。
Sanny(りす)Yoshikawa
2007年4月より、SLウロウロユーザー。オーストラリア在住。音楽イベントによく出没します。悩みの種は微妙な時差でイべント中に眠くなること。
日本のSLで起きている面白いこと、ニューワールドノートに紹介したいことがあったら教えてください。
「りすが行くわよ」http://ameblo.jp/sannyy/
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