Sanny Yoshikawa が、New World Notesのなかから、毎月おすすめのバーチャルワールドニュースを日本語で紹介します。
Sanny Yoshikawa covers the monthly virtual world highlights from New World Notes for virtual Japan.
異なるバーチャルワールドをつなぐメタバース・プロトコルが実現するかもしれない ― もし必要なら
以前、異なるMinecraftのサーバー同士をシームレスに接続するプロジェクトに取り組んでいたメタバース技術者の Kim Nevelsteen さんが、今度は WebVR、VRChat、Minecraftなど様々なバーチャルワールドの接続を提案する壮大なマニフェストを発表しました。未来には複数のバーチャルワールドがポータルでつながるのかもしれません。ただし、異なるバーチャルワールドがシームレスにつながることの必要性は、カッコよさ以外にあるでしょうか? Wagnerは、その質問をKimさんにTwitterで投げかけています。それに対してKimさんは、こう答えています。「Web サイトへのリンクが必要なのはなぜですか? カッコよさだけですか? ただし、FacebookやInstagramなどは、プラットフォームのなかで活動している人が多いので、リンクがはるかに少なくなっています。(リンクのない Twitter を想像してみてください!)一度できるようになってしまうと、それがなかったらどうなっていたか想像できないのだと思います。」 読者のみなさんはどう思いますか?
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Here's A Metaverse Protocol Proposal Linking Virtual Worlds - If We Need One?
シニアデザイナーは元SLer、野心的なサンドボックスゲーム Scavengersをプレイしよう!
現在、早期アクセス中のScavengersは、本気の顔面攻撃アクションやハイブリッドなゲームプレイ(サンドボックス、PVEやPVPなど)が特徴の、無料でできるマルチプレイヤー・ハードコアゲームです。このゲームのシニアデザイナーであるBen Batstoneさんは、元Linden Labの社員です。Buhbuhcuh FairchildというユーザーとしてSecond Lifeを始め、そこで初めてシューティングゲームを作りました。そしてSLでの仕事がScavengersのデザインアプローチにつながっていると考えています。Linden時代の経験から、もっとも魅力的なコンテンツは、ゲーム内で出会うほかのプレイヤーであると信じているBenさんは、Scavengersのプレイヤー同士のポジティブな交流を促進するソーシャル機能やコミュニティプログラムを強化し、それをゲームプレイに統合しようと努力しています。
また、Scavengersの開発プラットフォームにはImprobable社のSpatial OSが使われていますが、Improbable社の重役にも少なくとも1人、熱心なSLユーザーだった人がいます。一見、Second Lifeとは、まったく違うゲームですが、その精神を受け継いだ世界をぜひ体験してみてください。
IMVUがバーチャルファッション販売のために現実世界のトップブランドと提携、非クリプトバーチャルワールドとして初めてアイテムをNFT化
Vogue MagazineからのメタバースニュースにIMVUが関わっていることに驚きはありません。5月27日にYouTube配信されたショーには、Collina Strada、Gypsy Sport、Mowalola、Freak City、Bruce Glen、My Mum Made It、Mimi Wadeといった実在のレーベルが参加しました。このショーには、3DメッシュやテクスチャリングのプロセスなどIMVUの服やアクセサリー作りを熟知したクリエーターが協力しています。IMVUユーザーはバーチャルランウェイで見たデザイナーの服を購入して自分のアバターに着せることができます。
IMVUのマーケティング担当シニアディレクターのLindsay Anne Aamodtさんによれば、ショーで紹介されるIMVUファッションアイテムの一部は、NFTに鋳造されます。イーサリアムに支えられたDecentralandや、いくつかのブロックチェーンベースのバーチャルワールドはNFTの取引に参入していますが、IMVUはWagnerが知る限り、NFTの販売を開始した初めての非クリプトバーチャルワールドです。(しかも、著名なデザイナーを起用しVogue Magazineに取り上げられました)。
Lindsay さんは、昨年のパンデミックによるロックダウンの最中にこの計画を思いついたそうです。チームと協力してバーチャルワールドの美学に合う有名ブランドを探し、各ブランドのデザインをIMVUのアバターが着用可能なメッシュベースのファッションに仕上げることができるIMVUクリエイターを探しました。Vogue Magagineの写真を見ていただければわかるように、現実にはありえないようなスタイルが数多く生まれました。ショッピングモールで売っているようなメインストリームの服とは一線を画すものとなっています。
IMVUのプラットフォーム上でのバーチャルアイテムの収益のほとんどは、実在するブランドの収入となります。しかし、このイベントでどれくらいの収入が見込めるか、はっきりとは述べられていません。Lindsay さんが言うように、IMVUを拠点とするファッションブランドがアメリカドルで6桁の収益を得ているのであれば、実在のブランドが7桁の収益をあげても不思議ではありません。
【下の動画は、5月27日にLive配信されたファッションショーのアーカイブです】
Intelが、AIで3Dグラフィックスと現実の映像を融合させて強化する技術を開発中
下の動画は、Intel LabsによるEnhancing Photorealism Enhancement(フォトリアリズムの強化)プロジェクトの非常に印象的なデモンストレーション映像です。簡単に説明すると、機械学習アルゴリズムを使って、3Dグラフィックスを実生活で撮影された関連映像に融合させます。この動画の場合は、GTA Onlineと、ドイツの都市の映像が使われています。
この技術はリアルな3Dグラフィックスを大きく進化させるものと思われます。しかし、例えばエイリアンが住む惑星の3Dグラフィックを使ったら、結果はどうなるのでしょうか。また、グラフィックがリアルになりすぎて、人間の脳が快適に処理するにはディテールが細かすぎるという問題はないでしょうか。そしてGTA Online のようなバーチャルワールドを印象的にする、細かな芸術的選択が削られてしまう可能性がないか気になります。 Wagnerは、Intel Labsのプロジェクトリーダーである、Stephan Richterさんに質問を送り回答を待っています。
詳しくは…
Intel Developing Process That Uses AI To Enhance 3D Graphics By Merging It With Real Life Video
バーチャルワールドはゲームではないと裁判所が判断するかどうかでメタバースの未来が決まるかもしれない
「Second Lifeはゲームなのか、それともゲームが存在するバーチャルワールドプラットフォームなのか」という長年の議論をご存知でしょうか? Epic対Appleの壮大な訴訟において、その議論と似たようなことが法廷で行われています。争点となっているのは、EpicのFortniteはゲームであり、Epicが定義したいと思っているオープンプラットフォームのメタバースとは違うのではないかという点です。Appleは以前Robloxはゲームではないと定義づけています。
The Vergeのレポートによると、Epic対Appleの反トラスト裁判で、Epicは同社のシューティングゲームFortniteが「ゲーム」ではなく「メタバース」であることを証明しようとしています。裁判の対象をゲームだけではなくAppleのApp Store全体に広げようという意図です。一方でAppleは、Epicがほぼ純粋にゲーム関連の企業であり、App Storeが「アプリ」を「ゲーム」と区別するユーザーフレンドリーなポリシーを一貫して維持していることを証明しようとしています。そしてiOSにおける「ストア内ストア」の禁止を守りたいと考えています。
テクノロジー系のニュースやコラムを扱うArs Technicaは、この争いを次のように見ています。「この種の区別は、iOS版Fortniteでのアプリ内課金に対するAppleの手数料や、Epicのゲームに対するAppleの支配力に関して、Appleが主張を通すときの鍵となります。また、iOS上で競合する独自のゲームストアを運営することが認められるべきだというEpicの主張にも関わってきます。」
そして今、まったくの偶然(おそらくそうではないと思いますが)に、ROBLOXはWEBサイトで「ゲーム」という表現をすべて「体験」という表現に変えました。
どのバーチャルワールドのプラットフォームも、AppleのApp Storeに登録されずに繁栄することは、ほぼ不可能です。そのため、裁判官が「アプリ」と「ゲーム」の学術的な区別をどう判断するかによって、メタバースの未来が変わる可能性があります。
【画像:1867 Historical Role Play:ROBLOXで作られた19世紀のルクセンブルクのシミュレーション】
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Future Of Metaverse May Depend On Whether Court Decides A Virtual World Is Not A Game
VR犬と遊ぼう:AIを搭載した愛らしい犬がVRChatに登場、今後の研究プロジェクトを無料で公開
ここをクリックすると、VRChatのHappy Hill Dog Parkが表示されます。これは、VRChat上でユーザーが作った最新の印象的なプロジェクトです。ここには、単なるバーチャル犬ではなく、フルVRで交流できる犬がいます。VRで犬を撫でると、自分も犬を撫でているように感じます。「基本的には、犬を撫でるとコントローラーが振動します。そして棒やテニスボールなどを持っていると犬がついてきます。」とVRCerのBen Rainwolfさんが教えてくれました。
犬のAIによる没入感とVR体験がマッチして、かなり心をつかまれるようです。「可愛い犬たちは常に注目を集めたがっていて、それに応えずにいられない。」「愛らしい罠にかかったようで離れられない。」と体験者の評判は上々。
Studio CyFiのプロジェクト・デザイナーであるJen Davis-Wilsonさんによれば、交流することで犬たちとの間に信頼関係を築くことができます。そして交流を重ねるごとに犬たちのアニメーションや振り向き方が変化していく仕組みです(彼女の共同設立者であるCyan Laserさんが犬のAIを制作しました)。
Jenさんによれば、Happy Hill Dog Parkの目的は学術的なリサーチのため、VRChatの公共の場所として無料で公開されています。
The dogs in Happy Hill Dog Park are waiting for you to come play! Available now on #VRChat for both PC and Quest.
— Studio CyFi (@StudioCyfi) May 19, 2021
Environment and animation design by @jendaviswilson , AI & logic by @CyanLaser . pic.twitter.com/mpJ87FXXx7
Second Lifeでライブをしながら、現実のパフォーマンスをYouTubeやFacebookで配信するシンガー
パフォーマーのKatica Pajic(SLではKatiaportugal.genesis)さんのSecond Lifeライブには、今までとは違う新鮮な工夫があります。Katicaさんは、SLでライブパフォーマンスをしながら、コンピュータのディスプレイやウェブカメラの映像をFacebookやYouTubeで配信しています。観客はバーチャルなショーを見るだけでなく、実際にKaticaさんが歌っている姿や、観客と話している姿をリアルで見ることができるのです。
彼女は、パンデミック真っ只中の2020年4月からこのようなショーを始めました。そして一時中断した後、再びショーを始め、一晩に2回公演することもあったそうです。このスタイルを始めたきっかけは「パフォーマー側から見てどう見えるのか、マイクの向こうの人が何者なのかを示すため」だとKaticaさんは言います。パフォーマーが自分のブランドを構築するために、とてもいいアイデアではないでしょうか。FacebookやYouTubeチャンネルで、Katicaさんの活動をチェックしてください。
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Singer Performs Live In Second Life While Streaming Her Real Life Performance On YouTube & Facebook
YouTuberのIsabelle Cherenさんが、SLの新しいホームページのビデオをキャプチャーして紹介動画を作りました
先月登場したSecond Lifeの奇妙な新しいホームページを覚えていますか? アップデートされた現在のホームページでは、RLのモデルだけでなくSLのモデルも登場する、1分を超えるビデオが流れます。このビデオでは、何人かのRLモデルが自分のアバターに「なる」様子も描かれていて、Second Lifeのコアな機能の一つをうまく表現しています。
SLのYouTuberであるIsabelle Cherenさんは、このビデオをキャプチャーし、音楽と音声によるコピーをつけたSecond Life紹介動画を作成しました。ホームページを見た方も、まだ見ていない方も是非ご覧ください。
SLを探検:実物大の集合住宅を会場にしたグループアート展
ここをクリックすると、6階建ての集合住宅のように見える場所にテレポートします。これはEd.Coloniaというかなり意欲的なグループアートプロジェクトです。
Ed.Coloniaのアイデアは、グループ展の形式をさらに追求し、共通の空間を使いながら各アーティストの個性を維持することでした。アパートという制約で十分だったので、テーマは決まっていません。それぞれのフロアには異なるアーティストが住んでいて、それ自体が展覧会となっています。入り口にドアがないことで、訪問者は中に入って探索することを促されます。
このグループ展は、Second Life内のアートインキュベーターであるGBTHプロジェクトによって開催されました。Ed.Coloniaの出展アーティストは、Yeya Zuta、Lux Chiantelle、NaTaS、Aldiladeisogni、Mavi Beck、Rachel Breaker、Marina Münterの7名。GBTHの公式ページはとてもよく出来ていて実在のギャラリーのホームページのようです。
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Explore In SL: A Group Art Exhibit In A Life-Size Apartment Complex
VRChatのHappy Hill Dog Park、現実の生活における幸福感と社会的孤立を研究するために学者が作ったVR犬体験
(上のほうで紹介している「VR犬と遊ぼう」の続編です)
VRChatのHappy Hill Dog Parkには、さまざまな種類のアバターが集まり、AIを搭載したワンちゃんたちとボール遊びをしたり、フォースフィードバックを利用して頭をなでたりしています。このプロジェクトの責任者であるキム博士によると、オープン後1週間で、すでに43,000件以上のアクセスがあり、7000回もお気に入りに登録されているとのことです。
この牧歌的な体験は、VR版ニンテンドッグスのように見えるかもしれません。しかし本質的には、人類にさらなる幸福をもたらすという控えめな目的を掲げた、一人の学者が先導する洗練されたプロジェクトなのです。
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で医療管理学の教授をするBrenda Freshman博士は、このプロジェクトをコンセプトの証明として考案しました。そして自己資金を投入し、(VR/ゲーム開発のベテランである)キム博士やStudio CyFi社と協力しながらVRChatにHappy Hill Dog Parkを展開したのです。
「現在、私は学術的なパートナーを集めているところです。これから様々な研究を行う予定ですが、最初の研究は幸福と社会的孤立を扱うものになると思います。」と、教授はドッグパークを訪れたWagnerに話しました。
犬の感情的な反応は、洗練されたAIによって大幅に強化されています。それぞれの犬は、個々のユーザーに対して0から100までの友好度と、初歩的な問題解決能力を持っています。例えば、VR犬が池の反対側にある棒を取ってくるとき、多くの本物の犬と同じように水に入ることを避け、代わりに池の周りの道を探すでしょう。
チームは今後、VR犬とVRChatのユーザーとの関係を強化するための要素を追加していく予定です。例えば、一緒に長いハイキングをしたり、借り物競争をすることができるようになります。このプロジェクトは幸福を目的としているため、ゲームの仕組みはポジティブなものを中心に検討されているようです(犬は吠えたり噛んだりしませんし、ユーザーに無視されれば、興味を失ってどこかへ行ってしまいます。)。
まだ学術的な研究は始まっていませんが、チームはすでに、犬たちが生み出すさまざまな感情移入に感動しています。
Second Lifeブランド:アイテムが売れない理由と、もっと簡単に商品を売る3つのヒント(ゲスト投稿)
インワールドで高い評価を受けているSLアーティストのWhiskey MondayさんがSecond Lifeクリエイターのために、今よりもアイテムが売れるようにする方法を提案しています。ここではその概要を紹介しますが、Whiskeyさんがアイテム探しをするときのイライラエピソードも面白いので、時間があれば原文をWEB翻訳して読んでみてください。
Whiskey Mondayさんは、Second Lifeの探索中に気になるアイテムがあると、あとで検索できるようにノートに記録しています。でも、後日そのノートから実際のアイテムにたどり着くまでに大変な苦労があるようです。そこで、SLでブランドを展開する人たちに商品を売るための3つのヒントを提案します。
Whiskeyのヒント1:検索可能な標準テキストでストアとアイテムをブランド化する
もしお店の名前に「~{baloney}~」のような変な文字が入っていたら、私は「baloney」しか覚えていません。しかし、検索には、そこにある変な文字も必要とされるため、検索結果に表示されないことになります。一方で、お店の名前が「drEss」のように、検索で何十万件もヒットするような一般的な単語である場合も、私はあなたのお店を見つけることができません。
もしあなたのお店が、私には読めないようなおかしな文字を使っていたら、私はあなたの店では絶対に買わないでしょう。ましてや、逆さまの文字なんて、どうやって入力したらいいのかわからないし、検索で見つけることなんてできません。
Whiskeyのヒント2:ショッピングランドマークをあらゆる場所、特にソーシャルメディアに更新/掲載する
地図やピックに古いランドマークが掲載されている場合、私はどうやってランドマークをもらったらいいのでしょうか?
アイテムを探すのにFlickrを使っている人も多いと思います。もしインワールドの店名がStoned[confU$ed]で、店のFlickrアカウントがDoobyだったら、私はどうやって、あなたの店を見つければいいのでしょう。それと、Flickrの投稿にあなたのお店のランドマークを残してください。とても当たり前のことですが、99%の人がしていません。Flickrのリンクに関するルールは知っていますが、せめてSIMの名前を教えてください。
Whiskeyのヒント3:最初から最後まで、お客様の立場で考える
自分のお店を検索してみたことはありますか? やってみてください。検索で自分の店を見つけられたら、次は買い物をしてみましょう。探しているものを見つけるのは簡単ですか? 友人に商品を探してもらい、感想を聞いてみましょう。
売上が上がっているからといって油断をしてはいけません。そのお客様は、あなたのお店を必死で探した人たちかもしれません。もっと分かりやすくすれば、もっとお客様が増える可能性があります。
Whiskey MondayさんのTwitter:@Whiskey_Day
来月のおすすめバーチャルワールドニュースもお楽しみに!
Snap Shot Location: Cyberpunk Neo Tokyo Japan (A)
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