Sanny Yoshikawa が、New World Notesのなかから、毎月おすすめのバーチャルワールドニュースを日本語で紹介します
Sanny Yoshikawa covers the monthly virtual world highlights from New World Notes for virtual Japan.
アーティストが幼少期の日記をAIチャットボットに送り、幼少期の自分と感動的な会話を繰り広げる
現在のMichelle:この先の数年、いくらか辛い体験をすることになると思うけど、必ず乗り越えられるからね。
子どものMichelle:どういう意味?どんな辛いこと?
現在のMichelle:悲しくなる体験や、世界が自分の上で崩れていくように感じる時間よ。
子どものMichelle:あぁ、私は最近そんな気分でした。
現在のMichelle:そんな気持ちになっているなんてかわいそうに。大変でしょう。
子どものMichelle:そうね。でも、私は強くなれるようにしてみます。そして私は乗り越えられることを知っています。
現在のMichelle:あなたは大丈夫。そのままベストをつくして、自分に厳しくしすぎないことを覚えていてね。
子どものMichelle:OK、やってみます。私と話してくれてありがとう、Michelle
これは、テックアーティストのMichelle Huangさんと、幼い頃のMichelle Huangさんが交わした感動的な会話の抜粋です。
「私は幼少期の日記を使ってAIチャットボットを訓練しました - 私の『インナーチャイルド』とリアルタイムで対話できるように」と、彼女は最近Twitterで説明しました。
私は10年以上にわたり、自分の夢や恐れ、秘密などについて、ほぼ毎日日記を書き続けていました。GPT-3を遊び場にして、その時々の私の性格や価値観を代表すると思われる様々な項目から、テキストのサンプルを採取することにしました。この方法で、その時期の実際のデータソースに基づいて、子供の頃の自分と話したらどうなるか正確にシミュレーションすることができました。
Michelleさんは、子どものころの自分のシミュレーションに関わることで、自分自身について何か重要なことを学んだと語っています。
「個人的には、"過去の自分 "から感じた優しさと理解が、私の感じていた結びつきや引っかかりを解いてくれる助けになったと思います。自分がいかに自分に厳しく、しかし他者に理解を示していたか分かりました。また、若い自分からこのような優しさを受けることは、とても実りある体験でした。また、広い意味での学びとして、テクノロジーが、メンタルヘルスや抱いている思いを整理するのに役立つことが分かりました。」
このエピソードは、NPCやアバターについても、素晴らしい可能性を感じさせます。自分自身をベースにした、デジタルなペルソナと関わることができることを想像してみてください。あるいは、歴史やフィクションに登場する小説家、詩人、講演者などを直接モデルにしたNPCも考えられますね。
その点については、Michelleさんも同意見です。
「より広くより没入的な、人間/コンピューターというインターフェースのループは、私が最も興味深いと思うものです。バーチャルセラピストとの会話から、バーチャルワールドのゲーム内のやり取りまで、ユーザーの入力があれば、AIを使って高度にカスタマイズ可能な反応を訓練したり、使うたびに独自のストーリーを生成したりすることができます。」
Second Life のソースコードがついに GitHub に!
Second Life のソースコードがついに公式に GitHub で公開されました!
今まで公開されていなかったことのほうが驚きですが、GitHub の巨大で非常にクリエイティブな開発者コミュニティのなかで、ビューワのコードベースが可視化されたことを期待しています。もしかしたら、誰かがついに安定したモバイルTPVクライアントを作ってくれるかもしれません。
Linden Labは2007年1月8日にSecond Lifeのクライアントをオープンソース化しました。それ以来15年間、オープンソースにより数々の新機能とバグの修正がもたらされ、私たちのバーチャルワールド生活を著しく向上させました。オープンソース化がなければ、SLは今日のように活気に満ち、永続的に成功することはなかったでしょう。
私たちのツールの改善と近代化、そしてオープンソースコミュニティをよりよくサポートするための努力の一環として、Second Lifeのソースコードが世界で最も人気のあるバージョン管理ホスティングプラットフォームの GitHub に移行するという発表ができることを嬉しく思います。Second Lifeのオープンソースリポジトリは、新しいホームであるgithub.com/secondlifeでご覧いただけます。
CPythonやLinux kernelなどの大規模なオープンソースプロジェクトの事実上の本拠地であるGitHubは、オープンソースソフトウェアを扱う人に紹介する必要はないでしょう。その機能と市場での位置づけから、Second Lifeの今後に最も適した選択肢と言えます。
オープンソースがSecond Lifeを活気のある、永続的で成功した「ニッチな」バーチャルワールドにしたのは間違いなく事実です。なぜなら、その改善は新規ユーザーを犠牲にして、既存のユーザーコミュニティに向けられたものだったからです...しかし、それは別の機会にお話しします。
詳しくは…
Second Life's Source Code Is Finally On Github!
Second Life にかつてあった、カスタマイズ可能な公式アイアンマン・スーツ-- 現在のメタバース・マーケッターのための事例
かつて、Second Lifeに公式のアイアンマン・スーツが存在していました。このアイテムは2008年に公開された、Marvel Comic Universeが初めて制作した映画のプロモーションの一環として無料配布されました。まだDisneyがMarvelを所有する前のことです。
そして注目すべきは、ファンによる二次創作を促進するために、このアイテムが、Second Lifeのなかで完全にカスタマイズ可能になっていた点でしょう。これは、当時のMarvelにとって非常に先進的でしたが、メタバース・プラットフォームの仕組みを理解した良い試みでした。
「多くの企業や既存企業にとっての課題は、実際にユーザーが(アイテムを使って)創作できないことで、結局、服装を変更するだけで終わってしまうことでした。」とLinden LabのベテランVCであるHunterWalkさんは話しています。
例えば、FortniteにあるMarvel Comic Universeの公式スキンや、そのほかのメジャーな公式スキンは、Wagnerが知る限りでは修正不可能だといいます。これが、FortiteでMCUキャラクターが通常のバトルロイヤル戦に参加する以外の動画をあまり見かけない理由の1つでしょう。
それに対して、以前このような記事を書きました。
アイアンマンがSecond Lifeを冒険しているのを垣間見ることができるかもしれません。悪者と戦ったり、空を切ったり、一般的に英雄的な行動をとっています。
運がよければ、バーで女性といちゃついたり、エキゾチックなダンスをしたり、あるいはワンダーウーマンとつきあったりしているアイアンマンを目にすることもあるでしょう。
このような奇抜なことはすべて、パラマウント/マーベル・スタジオのヒット映画をインワールドで宣伝している映画のマーケティング会社Picture Production Company の Second Life 部門である Silver Screen によって実現されました。 Silver Screenは最近、Second Lifeでアイアンマン関連のビデオや画像を作成するSLスクリーンショット/マシニマ・コンテストを開始しました。 そのために、変更可能なアイアンマンの公式アバターを作成・配布し、住民に自由に遊んでもらうことにしたのです。 このアバターは自由にコピー、カスタマイズできるため、SL内に広く浸透していきました。
その結果、この賭けは功を奏し、アイアンマン関連のスクリーンショットやマシニマが大量に集まり、その多くが非常に印象的です。たとえMarvelのヒーローがバカバカしい状況に置かれていても、おおむね好意的に受け止められています。
Second Life で Netflix の「Wednesday」のように踊ろう!
最新のポップカルチャーを即座に取り入れるという Second Life の有名な伝統に従って、Phia Simsさんは Netflix の「Wednesday」でWednesdayを演じる Jenna Ortega にインスパイアされた SL ダンスを作成しました。
SLでは「Wednesday」のコスプレも流行っているようです。そちらはCajsaの記事をご覧ください。
詳しくは…
Yes You Can Dance Like Wednesday From Netflix In Second Life This Weekend
TikTok、Sims 4、Second Life、IMVU、プラットフォームを超えた「Wednesday」ダンス
前の記事で紹介した「Wednesday」のダンスの話には続きがあります。SLで販売されたダンスは、ソーシャルメディアとメタバース・プラットフォームを活用し、橋渡しする賢い方法だったのです。
@phia.sims I’m Gonna Dance Dance Dance! 🔥 #secondlife #phiasims #fyp #wednesday #wednesdayaddams #addamsfamily #netflix #wednesdaynetflix #wednesdaydance #goth ♬ original sound - heyy
「私が作ったダンスは、TikTokでトレンドになっていた動きを元にしたものです。」と、クリエイターのPhia Sims さんは教えてくれました。「実際の番組をベースにしたダンスではなく、TikTok(短い)バージョンを作ったのです。これが私の参考動画です。」
彼女はそのダンスを様々なメタバースプラットフォームにアップロードして販売しています。
「The Sims 4、IMVU、Second Lifeのために制作しました。どれも上手くいっていますが、強いて言えばIMVUとSecond Lifeで最も上手くいっていると思います。」
このようなトレンドダンスを短時間で作るには、かなりの労力が必要ですから、それは良いことです。
「まず、トレンドダンスを研究し、分析することから始めます。その後、Blenderでリグの異なるキーフレームにたくさんのキーポーズを配置します。非常に時間がかかりますが、最終的には素晴らしい結果が得られるので、その価値はあります。これまでのところ、売上は驚くほど伸びています。新しいユーザーが買ってくれることに気づき、みんなが私と同じようにダンスを愛してくれていることにとても感謝しています。」
Phiaさんのやっていることは新しいだけなのかもしれませんが、素晴らしい機転ですね。TikTokにもSLのコミュニティはありますが、彼女はInstagramを通じてSecond Lifeのアクティビティをチェックしています。
TikTokにはIMVUのユーザーが多く、Second Life勢は主にInstagramにいるとPhiaさんは言います。例えば、theoriisworld というメインページを持つGamingorwhateva さんは、SLとIMVUの動画の両方を制作していて、バーチャルワールドでとても人気があります。またYalla.vlさんも、SLとIMVU両方で人気があるクリエイターです。
読者の皆さんのなかで、TikTokでメタバースに関連する活動をしている人がいたら、コメント欄で教えてください。New World NotesではTikTokコミュニティについてもっと特集を組みたいと思っています。
Second Lifeの新規ユーザー定着率を上げるには:読者からのおすすめ
Linden Labが新規ユーザー体験を修正するために誰を雇うにせよ、New World Notesの読者のおすすめを参考にするのがよいでしょう:
初回のオリエンテーションをローエンドコンピュータ用に最適化する:
3DカードのないPC/Macラップトップでも、グラフィックスを、おおよそ見えるようにします。Yves Firlanさんからの提案です。
ビューワーのデフォルト設定を更新して、初めてビューワをインストールした後、どのようなシステムでも、まともなグラフィックスでとりあえず安定して動くようにしてください。(今まで、初心者がイライラするほど読み込みが遅くなる原因となる帯域幅のデフォルト設定が500から950/1000に変更されたことがあるでしょうか?)
新規ユーザーとアフィニティ・グループを即座に結びつける:
(アフィニティ・グループとは、共に行動する通常3人から20人ほどの小さな集団のこと。)
Second Life の歴史上、興味のありそうなグループに参加するよう促される新規ユーザー体験は一つもなかったと思います。ソーシャル体験にはもってこいですね。-- Adeon Writer
Linden Labがそのことに気づかなかったのは驚きです。さらに言えば、グループも改良される必要があります。(現在のグループは土地の所有権に縛られたり、持てるグループの数が制限されたり、グループチャットの問題が起きたりしているので、ソーシャルハブとしてもっと機能する別の機能が必要かもしれません) -- Penny
そのとおりですね。新規ユーザーは、Webページでサインアップするときに、グループを選択できるようにしたほうがいいのではないかと思います。
さらに重要なおすすめを2つほど紹介します。
デフォルトのアバターをアップデートする:
デフォルトのボディをアップデートすることを拒否し、代わりにユーザーが作成したメッシュボディに押しやったことで、SLのアバター作成という側面全体が分断されました。現在ユーザーは、有料のメッシュボディ選び、リグメッシュの3つのタイプ(rigged, fitted, Bento)を理解し、服が特定の体のために作られていることを理解し、それぞれの体がどんな服をサポートしているかを把握する必要があります。初心者が自分で全部理解するのは無理でしょう?- Penny
いいアドバイスですが、SLの経済の大部分がメッシュボディに依存しているため、実現可能かどうかはわかりません。
もう一つ、過激なアイディアがあります...。
既存のSLユーザーにお金を払って、新しいユーザーを取り込む:
SLは決して使いやすいデザインではないので、新規ユーザーにメンターをつけて、新規ユーザーをどれだけ長くSLに留まらせたかによってLinden Labからある種の報酬を得るようにすればいいと思います。- Yves
Second Lifeの複雑さを解決するのはとても難しいので、ベテランのSecond Lifeユーザーに文字通り「報奨金」を払って、新しいユーザーを取り込み、新規ユーザー体験の壁を乗り越えさせるというアイデアです。新規ユーザーのメンターとして3-5時間くらいの時間を費やすのがいいかもしれませんね。
この提案がどの程度実現可能なのかはわかりませんが、次のように考えてみてください。
もしLinden Labが、新規ユーザーをうまく取り込んで維持出来たケース(例えば、新規ユーザーがアカウントを作ってから3ヶ月後にSLにログインしていた場合)に、10ドル分のリンデンドルを支払ったとすると、ユーザーベースを10万人増やすのに100万ドル、100万人増やすのに1000万ドルですむことになります。もしかするとユーザーベースを拡大する最も費用対効果の高い方法となるかもしれません。
詳しくは…
How To Improve Second Life New User Retention: Reader Recommendations
メタバース本の表紙とタイトルが決まりました!ぜひ予約注文ををしてください。
Wagnerの近刊の表紙と新しいタイトルが公開されました。タイトルは『Making a Metaverse That Matters(重要なメタバースを作る): From Snow Crash & Second Life to A Virtual World Worth Fighting For』です。Second Life20周年にあたる今年6月に出版される予定ですが、今すぐ予約をご検討ください。
原題のWhy the Metaverse Matters(メタバースはなぜ重要なのか)から、より時代に合うようにタイトルが微調整されました。複数のメタバース・プラットフォームで活発に活動している5億人以上の人々にとっては、すでにメタバースは重要なものなのです。Wagnerによれば、現在の目標は、ビジョンの起源や、それがSecond Lifeやそのほかの先駆的なプラットフォームでどのように実現されてきたか、さらに10億人以上の人々にとって有益な場所としてどのように育てられていくのかを、よりよく説明することです。19年間追い続けてきたこのテーマについて、貴重な意見も聞けることでしょう。
本書については近日中にまた紹介します。
詳しくは…
My New Metaverse Book Has A Cover & New Title -- Please Pre-Order!
このエピソードからは、NPCやアバターとの関わりにも素晴らしい可能性を感じることができます。自身をベースにしたデジタルなペルソナとの関わりや、歴史やフィクションの登場人物をモデルにしたNPCの存在も考えられます。
Posted by: bitlife | Monday, July 03, 2023 at 06:08 PM